2004年5月17日 第18回 「キタイ花ん」 KITAIーKAN

毎度、中村でございます。
先日、首都東京に行って来たのですが、約束の時間まで新宿アルタの前で笑っていいとものオープニングに映るようにとカメラの前で待機していると、怪しい青年が近寄り僕に一枚のチラシを渡す。
そのチラシには若手お笑いライブが昼の1時からあるという。しかも豪華ゲストも来るというのでインディーズライブには少々高い1000円を払い見に行く事に。青年に付いていく事五分。歌舞伎町の雑居ビルに入っていく。怪しい・・・。
このまま付いて行けば圧力鍋でも買わされるのではないかと心配もしたが、本来のB級趣向癖が顔を出し、いそいそと中へ入るとそこは、会議室のような部屋でイスが十脚ほど並べられ、黒幕で仕切られた舞台らしきものが作られている。怪しい・・・。
取りあえず記録にと写真を撮ろうとデジカメをスタンバイすると先程の青年が「撮影禁止」ですと。何故禁止なのだと問うと「医者に止められてますので・・・」と言うので「そんなに重い病気なんか?」と返すと「はい。全治1年です」と言うので大人しく開演を待つ事に。

どんなコンビが出てくるのか?キタイ花んとはどのように違うのか?楽しみにしていた最初のコンビはあまりにも酷かった。何やら大学の先輩の○○さんの酒の席での失態やらその先輩が女に振られたがどうのとか・・・。超内輪ネタでEND。次に出てきたコンビは10年ほど前に見た、ホリプロのフォークダンスDE成子坂の「ドラえもんネタ」を寸分狂わぬ寸法でコピー。コピーバンドならぬコピー芸人。

その後も野菜のトマトが相方と言うピン芸人や、ここまで似てないのも珍しい、田中邦衛の物真似する芸人など登場し、1000円の価値とは?を真剣に考えるひと時であった。豪華ゲストもゲストなのに3分ほどで終了し、40分ほどでライブは終了。僕を含め4人ほどの観客は何を思い会場をあとにしたのだろう?まあいい。だが心の中で生まれて初めて「金返せコラ!」というセンテンスが胸の中にこだましたが、何も言わず雨の降る新宿の街へと戻った僕は仏のようだ。こう見るとキタイ花んのクオリティの高さが分かる。

そして夜になり、またまた、約束の時間までライブでも見ようと「ぴあ」をみていると渋谷で「つぶやきシロー単独ライブ」がある。何とこれも1000円。時間の関係で30分ほどしか見れなかったが、最近テレビで見ないとは言え、芸人つぶやきシローは健在。内容も30分しか見てないが素晴らしい舞台でした。

偶然入場料1000円というお笑いライブを二つ見たが、キタイ花んも1000円。同じ1000円でも中身によってその価値は大きく変化する。
あまりに違いすぎるけど新宿で見たライブを反面教師とし、キタイ花んも「金返せ」と言われぬよう、日本で一番の「1000円で楽しめる最高のお笑いライブ」と呼ばれる為、芸人、スタッフ一同頑張りたいと思った東京での夜。
そしてビッグになった芸人には是非、いい肉を奢って頂きたいと毎月ここで書き記しているうちに現実となるのが、たくさんある夢の中の一つなのだ。合掌。

長々と駄文を晒しましたが、5月17日のレポート、付き合ってくださいまし。

ビタミンS
初登場兄妹コンビ。上手く兄妹の関係をネタの中に盛り込んでいてバランスが良かったと思う。まだキャリアが浅いからか舞台慣れしていないなぁといった箇所もあったけど、そんな事は回数をこなせばどんどんすごい舞台をするコンビになっていくと思うので楽しみだ。どうしても男女コンビが少ないので「南海キャンディーズ」や「男と女」と比べられる事が多くなると思うけど、気にせず二人の世界観を確立して欲しいと思います。しかし、ネットや何やらで調べてみたけど若手の男女コンビは全国で大阪の3組しか居ないようだ。その内二組がキタイ花んに出ているなんて凄い事ではないか!
京風ゆばちりめん
天下一品のラーメンを親方と弟子とで食べにいくといったコント。小気味いい動きや設定は良かったと思うのだが、イマイチ笑いに繋がらなかったのは残念だ。ボケの元気よさに対抗してもっと暴れたツッコミをしても良かったのかなぁ。客席で見ているとそういった所が消化不良に感じたけど、それよりも小さくまとまらずドンドン色んな事に挑戦して、いい舞台して欲しいです。
プラスマイナス
今回は迷子のネタ。今まで見たプラマイの漫才の中では個人的には一番面白かった。悪質な迷子キャラを演じる兼光に暴力的でハイテンションだが意外に親切に母親を探してあげるというツッコミ岩橋の掛け合いが良かった。このまま終るのかな?と思っていたらラスト一分での畳みかけるようなボケ合いが今回の優勝の勝因じゃないかなぁ。来月からはプラスマイナスの牙城を崩すべく皆頑張ってくると思うので更に二人には気合を入れて頂きたい。ちなみに兼光のお姉さんが来場していたが、遺伝学を覆すような美人なお姉さんだったのが意外であった。
やじろべぇ
初登場で2位。キタイ花んで言えば、前半ブロックは不利だとかプラスマイナスの後はやりにくいといった事が囁かれていたが、そんな事を乗り越え上位入賞は快挙ではないでしょうか。今回のネタはローテンションな学園コントだが、逆に押しの強い大阪的なコントとは違った新鮮さがあった。淡々と進んでいるようでいて、時にくどいボケがあったりと二人のキャラに合ったネタだったように思います。
NSC26期と一番後輩になるだろうけど、舞台ではどんどん上に行けるよう頑張って頂きたい。
タイムマシン
眼鏡屋に勘違いして飯を食べにくるというコント。設定だけ聞けば無理があるようなネタかも知れないけど、それが意外にも理不尽に見えないあたり、キタイ花んではイマイチ目立ってこないけど、かなりの実力派の二人なんです。錦織の絶妙な間が良かった。爆笑にならなくとも、尾をひくような笑いがこみ上げて来るタイムマシンのコントはどう進化していくのか?個人的な楽しみの一つであります。
しかし、こういったコントが銭湯の脱衣所で開催されているライブ「MANZAIinいー湯」で作られていると思うと不思議でならない(笑)
アップアップ
いつもは漫才の二人だが、今回、コントに挑戦。ひ弱なボディーガードが出てきて守るところか逆にやられてしまうといったコント。設定やネタの中身やキャラなどどれをとってもすごく良かったと個人的には感じていたのだが、意に反し、前半の客席の反応はイマイチ。
一つ思うのは少々「こなした感」が強かったかな。彼らの持ち味は自由で伸び伸びやっている姿だと思うからね。しかし、一回りも歳の違う芸人と肩を並べて舞台に立っているのは「圧巻」の一言。ちなみに大野の普段かけているサングラスは見かける度に宇宙のように大きくなっていくのは何故だろう?
グレイシー一族?!
今回はラジカセに眼鏡をかけさせた彼女曰く「やしきたかじんさん」と共に登場。「やっぱすきやねん」という曲がもしも売れていなかったらというネタ。毎回、どうなったらこういったネタが浮かんでくるのか膝を突き合わせて聞いてみたいのだが、それが変に狙っているような嫌味も全くなくさっぱりしているあたりが彼女の才能なんだろうか?芸名から芸風からネタから声から正に「個性」で煮込まれたような彼女の存在は存在しているだけで面白いです。はい。
極悪連合
近頃ちょいと停滞気味な感じがするが、アンケートにも「嫌いだ」という彼らにとっての誉め言葉が減ってきたのが物語っているように思う。
彼らの面白さはたいして悪くない事を「俺の方が悪い」と言って罵り合う姿にあると思うのだが、最近は色々なパターンを盛り込みネタをするようになってきた。それがいい悪い関係なく、もっと「極悪連合らしさ」が出ればなぁと寝れない夜に思ったりするのだ。
そういやこの前、電車の中で極悪連合バッチを付けているパンク風の女の子を見かけたのは笑った。
のりちゃんしゅうちゃん
ファンレターをもらい読むといった漫才。今までの、のりしゅう漫才の中では一番面白かった。ただ読み物ネタはやり尽くされているので余程の発想や何かがないと印象に残りにくい面があるのでもうひと工夫でしょうか。しかし、骨折しているのに片足で跳んで登場したのは凄いなぁ。僕ならあの時点でもう一本の足も骨折していたかも知れないな。とにかく次回、更なる飛躍をお願いします。
男と女
今回は「トミーズ」さん以来のボクシング漫才。グローブを付けた二人のやり取りで市川が殴られるのが分かっていながらでも殴られればやはり面白かった。時折入る和田ちゃんの「セクシィ〜」も面白く男女漫才の雄、「唄子啓介師匠」もびっくりだ。
しかし毎回感じるのが、二人の本番直前のネタ合わせ。これほど命を張ったネタ合わせをするコンビはいないのではないか?あれだけの真剣さとパワーがあれば大阪経済を立て直せるのではないか?その甲斐あって今回三位に入賞。打ち上げでも楽しそうに飲んでいたのは印象的だ。一つ心配は舞台で市川が本当にダウンしない事だ(笑)
ルービック
どう見ても文化系の中西が「俺、昔悪かった!」と吐き捨てるように言うのが面白かった。ルービックの漫才は毎回毎回完成度が高いのか、スタッフや作家からの評価が高い。今のところキタイ花んでは順位として表れていないが、いつかは相当の評価を得られると思うので解散という二文字を無視して頑張って欲しい。ちなみに先日ビックカメラ下のパチンコ屋で岩本と偶然会ったのだが、彼と会ってから調子が悪くなり負けてしまったのは記憶に新しい(笑)
大木三郎
直前まで悩んでいた本日のネタ。ジブリ作品をテーマに芝居のようなコントを展開し、悩んでいたのは嘘のよう。独特の持ち味がうまくマッチして笑いをとっていた。最近のピン芸人は音や画用紙に書かれた絵をメインにしたネタが多いのだが、彼の場合は小道具に頼りきらないあたり底力を感じる。ネタだけでなくラジオのパーソナリティやリポーターなどもこなす器用な芸人で登場二回目でありながら注目度はかなり高い。今後の課題は慢心せずどんどんレベルの高い舞台を連発していけるか?まぁ、さぶちゃんなら大丈夫やろうね。
リンゴスター
本番直前に解散するんですと改めて報告を受けたのだが、正直なところもったいない。それはリンゴスターが居なくなると同時にキタイ花んでの彼らの存在も大きかったからだ。とか言いながら「やっぱやります」と言ってくれるかも知れないけど一応ラストの舞台という事に。今後、お互い新たな相方連れてキタイ花んに出るかも知れないけど、その時の条件はリンゴスターを上回った舞台をしてくれる事。パワーアップしてまた来て欲しい。
天竺鼠
大木三郎といい、やじろべぇといい、この天竺鼠といい、ラストをひっくり返すのが流行っているのだろうか?コンビ二のバイトの面接コントと思わせながら実は店長の面接態度を見にきた社員といったコント。一見怖そうな二人だが、思わず笑ってしまう不思議なキャラを持っていて、最後の「ブロッコリー返してください」は個人的にヒット。ネタ見せの時に見たヤクザコントも本番で見てみたいものだ。M−1効果で漫才をするコンビが多数の中、こういったコントをするコンビが出てきて嬉しい。
あばれざる
「ハゲ」をテーマにした漫才。ハゲネタはさんざん今までに様々なコンビがやり尽くしたネタなので、どんな新たな見せ方をしても「どこかで見た感じ」がしてしまうのはもったいない。この二人は安定感があって安心して漫才を見ていられるだけの技術があると思うので、後は意表を突くようなネタを見せれば笑いは何倍にもなると思うので頑張って欲しい。しかし、日本兵のようになったボケの三木の頭はこのネタの為に坊主にしたのだろうか?気になるところだ。
大和魂
並びの一番を死守するのが生きがいなオタク風男に扮する岡田と片岡の魂コント。片岡がゲーム発売日に一番に並びに来たと思っていたら実はオタクにコンタクトレンズで場所取りされていたという大和魂の真骨頂なネタ。設定やネタの中身はいつもの如くよく出来ていて笑いも多かった。ただ大和魂をずっと見ていて感じたのは大和魂オリジナルのキャラが登場した時はもっと笑いも大きいように感じる。今回も良かったのだが、このオタク風男のキャラがどこかで見たように感じる分、いつもよりインパクトに欠けたんじゃないかなぁ。個人的にはタイ人のナパや詐欺師の高嶋さんが好きだ。
シャンビアス
キタイ花んが始まった頃に出演していたコンビで全国放浪の後、久々に出演と相成った。さすが安定感はピカ一でその漫才をこなした数の多さを伺えた。ただ、道行く人と違い、お笑いライブを見にきたお客さんの前なので、少々ネタに斬新さが無かった感がするが、それさえクリアすればキタイ花んでも活躍してくれるのではないでしょうか。
ウォーター
夫婦の浮気をテーマにした漫才コント。赤い唐草模様のような舞台衣装が定着してきたのか出てきただけで笑いも起こるようになってきた。それに加え、瀧見の暑苦しいキャラも板に付いてきてそれに加え北川のツッコミも心地がいい。しかし、瀧見はおばちゃんを演じさせると天下一品ですなぁ。おばちゃんキャラなら桂雀々師匠と肩を並べれるのではと思う(笑)そろそろ上位に入ってMCでもしてるところを見てみたい。
ロングフリーズ
相方を好きになった漫才師のネタ合わせというコント。もちろん相方に惚れているのは江原で何も知らない菅沼がネタあわせに来るのだが、ネタ合わせ中でも相方をけなせない。そんなちょっと臭い80年代の恋愛ドラマのようなコントを得意としているコンビだ。まぁ、現実的には相方に恋愛的に惚れるなんてありえないんだろうけど、江原が演じればありそうな感じになるのが面白い。
ボンゴレ
こちらもキタイ花ん発足当時の主力メンバー。僕は第8回からスタッフとして参加しているのでそれまでは知らないのだが、ライブプロデューサー曰く「成長した」と言っていた。シャンビアス同様、安定感といえばさすがで特徴のある声が印象的だった。次回は出演しないみたいなので残念だが機会があればまた出ていただきたい。
ゴールドハンマー
冒頭の怖い話やお母さんからの手紙などこの日はかなりの笑いだった。見た人にしか分からないけどメールアドレスのくだりは爆笑だった。見せ方やネタがいつもレベルが高く、今回も上位入賞だと思ったんだけどなぁ。毎回毎回意表を突く仕掛けを考えてくるのだが、何をヒントに考えているのだろうか?一度聞いてみたいのだが、林と話する時は何故か金の話に終始してしまうのだ。今度聞いてみよう。

 

この日は最後の方で放送作家の重鎮「かわら長介」先生に見に来て頂きそのまま打ち上げへ。
色々、いい話からアホな話まで聞かせてもらい、参加した芸人や作家は勉強になったんじゃないでしょうか。
キタイ花んに出ている芸人の多くはこういった、長年業界で生きてきた方の話を生で聞く機会もないだろうし、いかに自分の視野が狭いかといった事を認識できるいい機会だったと思います。僕も含めてね。

こんな交流を交えて1人でも多くプロと呼ばれ、前線で活躍できる芸人が生まれればなぁと思います。

ではでは、また来月もよろしくお願いいたしまする。

 

文:中村壮快

 


5月17日 投票結果。動員数:236人。
有効投票者数は174人。
21組中、ライブでは3位までの発表ですが、HPでは10位まで発表します。

 

1位 プラスマイナス 得票数 96票
2位 やじろべぇ 得票数 67票
3位 男と女 得票数 64票
4位 ゴールドハンマー 得票数 53票
5位 ロングフリーズ 得票数 46票
6位 大木三郎 得票数 38票
7位 天竺鼠 得票数 22票
8位 大和魂 得票数 20票
9位 ウォーター 得票数 19票
10位 のりちゃんしゅうちゃん 得票数 16票

 


楽屋風景を少しだけ、ご紹介したいと思います。
舞台とは又違う、芸人さんの顔をお楽しみ下さい。


第18回キタイ花ん優勝者『プラスマイナス』です
他とグンと差をつけての優勝です。
おめでとうございます☆☆


手前、見取(リンゴスター)奥、『男と女』の2人です
企画時の小道具作りを手伝ってくれています。
気の利く優しい3人です。感謝・感謝。。

左、志村(ゴールドハンマー)右、江原(ロングフリーズ)
2人揃うとなんか濃いですよー!そして後ろの
子連れ狼は大野(アップアップ)です。ちゃぁ〜ん。

奥、西(タイムマシン)手前『ウォーター』最近ベテラン芸人キャラが暑苦しい!暑苦しいと声を掛けると密に喜ぶ所がほんと暑苦しい2人です笑

この男前は、『ルービック』岩本昭太です。先日
失恋したんだとさ(笑)今はそっとしておきましょう岩本・・あんたは一途でおもしろい子やで(励)

『ビタミンS』。この2人兄妹なんです。この図を見て26期仲間から「兄妹でよぅやるわ〜」と非難されてました!兄ちゃん照れてんねぇ(笑)

出番直前の山名(やじろべえ)。隅で小さく丸まってた所を1枚。初出場で相当緊張している様に見えましたが、本番は堂々と演じ2位に!

『男と女』真剣ネタ合わせ中。今日も凄まじい気合でした!この2人程、お互いのキャラを引き立たせあえるコンビはいない。正に運命の出会い♪

『極悪連合』MrX。彼等には、嫌われ芸人N0.1になって下さいと我らスタッフはお願いしてるのに最近アンケートに悪口が減るし、バッチもよく売れ困る(嬉)

『大木三郎』です。生活感の感じない高貴な雰囲気を持つ不思議男。さぶちゃん♪便器前にて1枚。トイレするんだ!!・・安心安心(笑)

左から大池(京風ゆばちりめん)『グレイシー一族!?』『あばれざる』吉野(アップアップ)この図を見て青春って文字が浮かんだので・・つい1枚。

『グレイシー一族!?』です。ネタに出てきた、たかじんサンです。(笑)グレイシーちゃん19歳やけどいつもネタの選択シブイよなぁ。。。

 

以上、簡単ながらライブレポートでした。来月のキタイ花んは、6月14日(月)ワッハホールで行います。
MCは『プラスマイナス』です。
皆さんお誘い合わせの上、ご来場くださいませ。

取材 : スタッフ織田


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